サキョウ見聞録 その1 第15回吉田山の里山を再生する会植樹会 | まいぷれ[京都市左京区・北区]
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サキョウ見聞録 その1 第15回吉田山の里山を再生する会植樹会

サキョウ見聞録 その1 第15回吉田山の里山を再生する会植樹会

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2024年4月23日


 この日は朝からしとしとと雨。

 植樹会というと単にスコップで土をかけるようなものからガッツリ植樹作業するものまでかなり幅があるので、地元の方に確認すると、ガッツリと植樹作業するということなので、雨も泥もヘッチャラなように私も雨ガッパに長靴、軍手で完全武装。

 

 吉田山は京都大学の東側にある小高い丘で、節分祭が有名な吉田神社が鎮座まします里山。山頂の公園に上がると、既に参加者のみなさんが集まっておられました。今回は雨なので参加者が少ないというが、70~80人ほどおられ、ボーイスカウト42団の子どもたちや、昨年取材させていただいた吉田木瓜大明神の剣鉾差しの差し手メンバーの方たちも。


植樹会のはじまり

 吉田山の里山を再生する会の清瀬みさを会長のあいさつで植樹会が始まります。吉田山は古くから人々が集まる里山だったのが、戦後は放置され、うっそうとした森林となっていたところ、自然災害を防ぎ、防犯上も安全な里山とするため、月に一回、定例作業日を設けて間伐や剪定、下草刈り、遊歩道の整備などを行っているそうで、京都市北部みどり管理事務所も協力させていただいているそうです。50年後に立派な森林になって、次の世代に引き継いでいかれることを願って取り組んでいる活動。

 私も学生の頃から幾度となく遊びに来ていた山ですが、そんな思いで活動されている方たちがおられることは知りませんでした。

 この活動は、以前は京都府の助成金を、現在は京都東ロータリークラブ、イオン財団、夏原グラントの助成を受けているとのことで、この日に京都東ロータリークラブから支援金の贈呈式も行われていました。雨の中、京都東ロータリークラブ、イオン財団からも数人の方が雨の中植樹をしに来ておられ、熱意に支えられた取組であることを感じます。

 私も区役所代表として紹介していただきました。清瀬会長がかたわらの木を指さしながら、「あれを見て。この山には歴代の区長さんや市長さんが植えてくださった木があって、あちらは左京区誕生80周年を記念して波部区長(当時)が植えた木。あなたも心を込めて植えていって」とおっしゃられる。どちらかというとこういう作業が好きなのもあって気合が入ります。


清瀬会長(右)と筆者

 それから班に分かれて植樹作業。最初に苗の植え方の指導を受ける。苗と言っても2メートル以上の高さがあり、また違う場所で育てた苗を持ってくるので、腐葉土などを山の土と混ぜ合わせたり、そして木に麻布を巻いて保護したうえで支柱にくくりつけるなど、本格的な作業。


植樹方法の説明。50年先を見据えた植樹なので、本格的。

 子どもたちも一緒に作業を行う。スコップで土を混ぜたり、植えた木の周りに土で土手を作ってペタペタと手で固めたり。楽しそう。と言っている私も楽しむのですが、やっぱり土の手触りというのはよいものですね。


雨の中の作業

 雨の中、10本の植樹が完了。

 最後に、植樹してから2年間は、完全に根付いていないため、水不足や猛暑のときには水やりが必要になるので、子どもから大人まで、自分が植えた苗木のことを思い出して、水やりをお願いします、という呼びかけがありました。


植樹完了!

 最後におやつの時間。吉田山で育っている果物を使った、清瀬会長手づくりのマーマレードをクラッカーにつけて食べ、干し柿をいただきました。甘みがやさしい。疲れた体に沁みてきます。おやつの時間は、毎回の活動の最後に、山の恵みを感じる機会としてされているそうです。

 

 知らなければただただ通り過ぎてしまう木々。でも自分が植えた木はちょっと違って、愛着とかを感じるものかもしれません。地域の方たちがときどき苗木のことを思い出しては、手をかけて、何年もかけて育っていって、他の木たちのように立派な木に育っていくのでしょう。


 私は自分がお手伝いさせていただいた木の50年後の姿を見ることはできないかもしれませんが、時々思い出したり、足を運んだり、「この木パパが植えてん」みたいに(若干盛りながら)息子に自慢したりしたいなと思います。

この記事を書いた人

矢野裕史(左京区役所 企画・山間地域振興課長)

左京区北部の花背在住の、左京区民歴20ウン年の自称左京ファン。冬は花背の山でシカを獲ったりしてます。


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